国立極地研究所

南極と北極は地球環境の変化に敏感に反応し、またその変化は人類の将来にも大きな影響を与えます。極地研は、南極や北極でのフィールド調査等で得られる観測データを基に、地球惑星科学や生命科学の視点から先端的な研究を推進し、学術的な成果を得るのみならず、地球規模課題の解決に貢献します。また、海洋資源および陸域生態系の保護等に関する研究・調査を通じてSDGsの達成にも貢献します。さらに、南極地域観測事業と北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)では実施中核機関を務め、南極と北極にある観測基地・拠点や、観測施設・設備、観測船などのプラットフォームを全国の研究者に提供しています。

国立極地研究所

(左)南極・昭和基地 (右)北極・ニーオルスン基地

(左)南極・昭和基地 (右)北極・ニーオルスン基地

研究所の活動について

国立極地研究所では、先端研究推進系に4つ(宙空圏、気水圏、地圏、生物圏)の、共同研究推進系に1つ(極地工学)の研究教育基盤グループを置き、それぞれ分野の特性を活かし、かつ連携して極地科学の総合的な研究を進めています。

宙空圏研究

宙空圏研究グループ

地球を取り巻く宇宙空間の変動が地球環境に与える影響や、地球大気の全球的な振る舞いを明らかにするために、南北両極域における国際的な地上観測ネットワークや先端的なリモートセンシング装置により、オーロラ現象や中層・超高層大気現象の総合観測研究を行っています。

気水圏研究

気水圏研究グループ

地球環境や気候の過去・現在・未来を明らかにするため、極域の大気圏、雪氷圏及び海洋圏を研究対象とし、現地観測、衛星リモートセンシング、数値モデリングなどにより、大気科学、気象学、雪氷学、海氷・海洋科学及び古気候学に関する研究を進めています。

地圏研究

地圏研究グループ

太陽系形成時の46億年前から今日までの宇宙史、地球の地殻進化や第四紀環境変動、また現在の地殻変動や海面変動等を、南極隕石や岩石・堆積物などの試料、現地観測や衛星データなどを用いて、地質・鉱物学、地形・第四紀学、測地・固体地球物理学の手法で解明をすべく研究を進めています。

生物圏研究

生物圏研究グループ

極域海洋のプランクトンと生物生産過程の研究、バイオロギング手法による大型動物の行動生態研究、陸上や湖沼に発達する生態系の研究を3つの柱として、極地生物の多様性や、近年の地球環境の変動に対する生物適応や生態系応答などの研究を進めています。

極地工学

極地工学グループ

厳しい寒さ、強風、積雪といった極地特有の環境、あるいは輸送の手段が限られるといった制約下においても高品質な観測を行うためには、技術的バックアップが欠かせません。極地工学グループでは、再生可能エネルギーの安定利用や無人観測に関する技術開発等を通じ、極地観測に付随する技術的課題の解決に取り組んでいます。

国立極地研究所 南極・北極科学館

南極・北極科学館南極・北極科学館は、国立極地研究所の広報展示施設です。
南極や北極でどんな観測や研究が行われているのかを紹介しています。

南極・北極科学館外観
南極・北極科学館
国立極地研究所『南極・北極科学館』

所在地:東京都立川市緑町10-3
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
入場料:無料
休館日:日曜日・月曜日・祝日・第3火曜日・夏季休業日・年末年始

URL:https://www.nipr.ac.jp/science-museum/

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