大学共同利用研究教育アライアンス-IU-REAL-5法人における物価上昇等の影響

日本経済が上向きに動き出し、2%の物価安定目標、33年ぶりの高水準の賃上げが実現する[注]一方で、このような人件費の上昇、物価高騰、為替変動などは、大学や大学共同利用機関の研究教育活動に多大な影響を及ぼしています。

このため、大学共同利用研究教育アライアンス(IU-REAL)を構成する5法人において、物価上昇等が続いた場合の影響を試算したところ、質の高い研究教育活動はもとより、全国の大学等の研究者への共同利用・共同研究の場の提供や、新しい時代を担う研究者の養成といった役割を維持していくことさえも困難な状況であることが明らかになりました。

大学やそれを取り巻く研究機関は、優れた研究成果を上げると同時に、多様な優れた人材を世に送り出す役割も担っており、大学を取り巻く環境を世界的な競争の中で維持することは、産業力の強化にも繋がります。

各法人においても外部資金の獲得や寄附金など自らの収入を増やす努力を進めているところですが、引き続き、大学共同利用機関及び世界トップレベルの研究環境を教育の場とする総合研究大学院大学がその役割を果たしていくために、こうした状況をご理解いただくとともに、一層のご支援を賜りたくお願いいたします。

注:経済財政運営と改革の基本方針2024