人間文化研究機構

歴博がみせるオンラインの資料たち

18日 オンライン対応時間:11:00~17:00

展示概要

歴博のさまざまなオンラインコンテンツを楽しめるコーナーです。 高度な機能を持つデジタルアーカイブ”khirin”についても紹介します。 歴博が持っている歴史資料に関するデジタルコンテンツの楽しみ方を紹介し、資料が持つ奥深さ、それらの活用事例について知ることができます。 室町時代の多様な人物を見たり、錦絵(浮世絵)をアップで見たり、これまで館で行った展示の動画などデジタルコンテンツ盛り沢山でお届けします。

展示詳細

国立歴史民俗博物館博物館(略称 歴博)は、千葉県佐倉市にある大学共同利用機関としての博物館です。日本の歴史を研究するとともに、日本の通史を原始から現代まで展示している唯一の博物館でもあります。

歴博では歴史的な様々な資料を研究者のみならず、多くの人と共有できるように様々なデジタルコンテンツを公開しています。それらのコンテンツを紹介していきます。

歴博・デジタルアーカイブシステムkhirin

まずは、歴博では最も新しいデジタルアーカイブシステムであるkhirin-aを紹介します。khirin-aはIIIF(International Image Interoperability Framework)をベースにした画像の閲覧システムです。IIIFとは、「画像の相互運用のための国際規約」と表現されるもので、決まったルールの中にあれば、世界中のどこのシステムからでも閲覧したり、比較したりすることができます。まずは、技術的な機能ではなく、資料の紹介をします。

歴博所蔵 館蔵錦絵

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国立歴史民俗博物館が所蔵する錦絵のうち、約2000枚の画像が公開されています。役者絵・風景などをはじめ、多様な画像データを公開しています。

また、この画像の詳細情報リンクからは、歴博が持つ別の資料データへのリンクが作られています。例えば市川団十郎のページからのリンクで詳細情報を確認すると、様々な目録情報が出ています。このうち、この錦絵が作られた1816年という数字の下のボタンをクリックすると、同じ年に作られた古文書が閲覧できます。このようにリンクをたどって資料を見ていくことができるように作られているのもkhirinの特徴です。このような資料の画像や情報を様々な形でつなぎ、多様な形で閲覧できるシステムを歴博では作成しています。

このシステムは単に「デジタルアーカイブ」というだけではありません。歴史資料に関するこれらの情報を、専門的な研究に使うことも想定しています。また、それだけではなく、一部の資料に関しては、地理情報をつけて入れることで、今、歴史的・文化的な資料がどのような場所にあるのかを把握することも可能にしています。これは、単に資料への実際のアクセスを可能にしているというだけではありません。例えば大災害が起こったときに、資料をレスキューすることがあります。(資料レスキューの説明動画)このような時に、歴史的・文化的な資料がどこにあるか予め知っておくのと、そうではないのでは大きな差があります。そのような時にもこの資料の所在データは大きく役立ちます。

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そして、IIIFの機能を活用することで、家庭用ゲーム機への取り込みも可能になっています。歴博のプロジェクトサイトに「歴博・khirinから「あつまれ どうぶつの森」へ」というものがあります。これは、歴博の文化財画像を任天堂switchのゲーム「あつまれどうぶつの森」に画像を取り込むための方法が提示されています。詳しくは当該ページをご確認ください。また、このあつまれどうぶつの森との連携については、千葉大学の小風尚樹先生による解説ページもありますので、そちらも参考にしてください。

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このようなデジタルコンテンツに関わるプロジェクトを国立歴史民俗博物館では「総合資料学の創成」という事業の中で実施しています。

「総合資料学」とは、主に大学や歴史系博物館が持つ資料を多様な形で分析・研究するための学問です。多様な「モノ」資料を時代・地域・分野等によって分類し、分野を超えた視点から統合的に分析することで、高度な共同利用・共同研究へと結びつけます。日本の歴史資料の活用による、人文学・自然科学・情報学の分野を超えた新たな日本史像の構築、学問領域の創成を目指しています。

この「総合資料学の創成」のために、国立歴史民俗博物館では、メタ資料学研究センターというセンターを立ち上げ、さまざまな検討を進めています。

詳しくは、プロジェクトのページなどを確認していただき、詳細をご確認ください。

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どこでもれきはく

さらに、国立歴史民俗博物館では、いつでも楽しめるコンテンツを「どこでもれきはく」として展開しています。

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展示情報、YouTubeWebギャラリー、子ども向け「こどもれきはく」など、さまざまなコンテンツが閲覧できます。こちらは、歴博がこれまでに蓄積してきた、多数の情報を見ることができますので、ぜひ、一つ一つをお楽しみください。


国立歴史民俗博物館は、COVID-19蔓延下ではありますが、十分な対策を施しつつ展示室も再開しました。現在、企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」も開催しています。この展示で、歴博の様々な活動に興味を持たれましたら、ぜひ佐倉・歴博までお越しください。実際の展示とオンライン展示の両者を合わせて見ることで、日本の歴史をさらに学び、楽しむことができると思います。

関連するオンラインコンテンツ

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企画展示「性差の日本史」

時の流れに浮かんでは消える無数の事実を指す「歴」と、それを文字で記した「史」。日本列島社会の長い歴史のなかで、「歴」として存在しながら「史」に記録されることの少なかった女性たちの姿を掘り起こす女性史研究を経て、新たに生まれてきたのが、「なぜ、男女で区分するようになったのか?」「男女の区分のなかで人びとはどう生きてきたのか?」という問いでした。本展は、重要文化財やユネスコ「世界の記憶」を含む280点以上の資料を通して、ジェンダーが日本社会の歴史のなかでどんな意味をもち、どう変化してきたのかを問う、歴史展示です。

本展では、まず、政治の行われる空間に着目して、区分の始まりを考えます。人びとを「男」と「女」に二分し異なる役割を定める社会は、古代律令国家の形成とともに形づくられ、家が政治空間の場となった中世・近世、政治の場から女性を完全に排除する近代国家の確立を経て、現代にいたっています。その過程はどのようなものだったのでしょうか。

また、仕事とくらしのなかの男女にも光を当てていきます。古代の木簡や古墳から出土する埴輪は、これまで 知られてこなかった古代の男女の労働実態を物語っています。中世や近世の田植え、人びとの髪を結う仕事、さまざまな職人たちの姿からは、男の職業、女の職業という私たちのイメージが、いつ、どのように生まれてきたのかが浮かび上がってくるでしょう。

さらに、それぞれの時代の社会の特徴とジェンダーに大きく左右される性の歴史を、中世から戦後までの性の売買に注目して考えます。「売春は最古の女性の職業」と言われますが、それは本当でしょうか。遊女として生きた女性たちの日記や手紙なども紹介しながら、男女の区分や位置付けを深く反映する性の歴史を振り返ります。

無意識のうちに私たちを強くとらえているジェンダー。
その歴史は、驚きと発見に満ちています。企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」では、歴史の面白さを満喫しながら、ジェンダーにとらわれず、誰もが自分らしく生きられる社会を築く手がかりを見つけていただけるのではないでしょうか。

展示紹介のページへ

性差の日本史ポスター

ミュージアムショップ 通信販売

歴博・ミュージアムショップ(一般財団法人歴史民俗博物館振興会による運営)では、図録の通信販売等を実施しています。

ミュージアムショップ

参加機関について

国立歴史民俗博物館

「歴博」の愛称で親しまれている国立歴史民俗博物館は、昭和58年3月に開館しました。本館は日本の歴史と文化について総合的に研究・展示する歴史民俗博物館で、千葉県佐倉にあります。先史・古代から現代に至るまでの歴史と日本人の民俗世界をテーマに、実物資料に加えて精密な複製品や学問的に裏付けられた復元模型などを積極的に取り入れ、日本の歴史と文化についてだれもが容易に理解を深められるよう展示されています。