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分子科学研究所

  

概要

分子は百種類ほどの原子から一定の法則で組み立てられた、とても小さな粒子ですが、人体から宇宙まで、身の回りの全ての物質(モノ)を形作り、その性質や機能を司る、この世界の多様性の源です。分子科学研究所(分子研)は、全国の大学・研究機関とも共同して、これら分子の仕組みと働きを理解し、新しい分子や、さらに多種の分子が協調して働くシステムを作り出す研究を推進しています。私たちは物質科学を基礎として、豊かで安全な、そして持続可能な社会の実現を目指します。



一般公開2021オンライン開催!(参加無料・事前申込不要)

「見えない世界見放題!! 分子研プライムで生配信!!」
2021年10月23日(土)10:00 – 16:00
公式サイト(当日のご参加もこちらから!):https://www.ims.ac.jp/koukai2021/

分子科学研究所の概要:https://youtu.be/I50iU9XRfP4
研究所プロモーションビデオ:https://youtu.be/s7b1vGxheBY


研究領域

分子に関わる科学は多岐にわたります。分子研には研究手法と対象を縦糸として四つの研究領域が設定され、また各領域を貫く横糸として、二つの研究センターが設置されています。


理論・計算分子科学研究領域

物質の仕組みや働きを理論的に調べるには、量子力学や統計力学などの物理法則を使って、その物質を形作る分子、さらに分子を形作る電子や原子核の振る舞いを計算する必要があります。しかし莫大な数の粒子の量子論的計算は容易ではありません。理論・計算分子科学研究領域では、物質の本質を捉えた基礎理論・概念の構築から、スーパーコンピューターによる超伝導物質や医薬などのシミュレーションまで、分子に関わる様々なスケールの理論的研究を推進しています。


光分子科学研究領域

分子は振動したり、電子の動き方が変化したり、あるいはイオンになったりと、様々なリズムを刻みながら運動しています。それぞれのリズムはちょうど赤外線、紫外線、X線など、各種の光のリズム(周波数)に対応し、光はそれぞれの方法で分子に働きかけることができます。光分子科学研究領域では、分子を調べたり、操作したり、あるいは作ったりするときに、とても便利な道具である光の性質を活用して、様々な分子に関わる科学の基礎作りを進めています。また放射光施設やレーザー装置など、光を作る研究も行っています。


物質分子科学研究領域

原子が集まって分子を作り、分子が集まって物質が作られます。今までにない機能や性質を持つ物質を作り出すためには、個々の分子の知見に加え、種々の分子が協調して働く集団の創発する、新しい現象を見出し、理解する必要があります。物質分子科学研究領域では、分子集団に関する理解に基づき、半導体や太陽光発電など、現代社会を支える基礎技術につながる研究を進めています。


生命・錯体分子科学研究領域

分子がそれぞれの役割を持って集まると、分子システムができます。分子システムは光や電気に応答したり、物質やエネルギーの形を変えるなど、様々な役割を演じることができます。私たちの体や脳も、極めて高度で大規模な分子システムと捉えられます。生命・錯体分子科学研究領域では、今までにない機能を持つ分子システムの設計や、新しい計測手法の開発により、その機能が生じる仕組みを探っています。


研究施設

先端的研究には大規模な設備や高度な装置が不可欠です。分子研には4つの施設・センターが設置され、独自の研究を推進すると共に、全国の大学や企業との共同研究を行っています。


極端紫外光研究施設(UVSOR)

UVSOR施設には一周約50 mのシンクロトロン(電子蓄積リング)があり、その中を電子が光に近い速度で周回しています。このシンクロトロンの中で電子がカーブするときに、いろいろな種類の光(放射光)が発生します。UVSOR施設では、この放射光を利用して超伝導物質中の電子の観測や、隕石中の有機物の探索など、様々な研究を進めています。


機器センター

先端的な研究には様々な種類の高度な装置が必要です。また、これらの装置の性能を常に最高の状態で発揮させるには、専門的技能が不可欠です。そこで、分子研には各種装置とその利用技術を集約した機器センターが設置されています。

機器センターの単結晶X線回折計と高周波高磁場電子スピン共鳴装置


装置開発室

未踏の領域を探索するためには、まだこの世界にない装置が必要です。「分子研ものづくり拠点」装置開発室では機械工作、電子回路、微細加工の設備を持ち、高度な技能を持った技術者たちがこれらを駆使して、様々な装置を開発しています。

装置開発室の機械・電子回路・微細加工技術


計算科学研究センター(岡崎共通研究施設)

物質や分子の性質を計算で求めるためには、膨大な計算資源が必要です。また分子科学計算のためのソフトウェアも日々進化し、大規模な計算機で分子科学に関する最新の計算を行うためには高度な技能を持つ専門家の協力が欠かせません。計算科学研究センターでは、分子科学計算に適した計算機とソフトウェアを整備し、また全国の利用者へのサポートを行っています。

計算センターに設置されている「高性能分子シミュレータ」


一般公開ポスター