研究トーク


「研究トーク」では、最新の研究成果を各機構の研究者が分かりやすく紹介します。


10:00-10:10


開会挨拶

川合 眞紀/大学共同利用機関協議会 会長・分子科学研究所 所長


来賓挨拶

池田 貴城/文部科学省研究振興局長


10:25-11:25

研究トーク1


高エネルギー加速器研究機構


加速器だから見える世界 ~KEK50周年~

足立 伸一/高エネルギー加速器研究機構 理事

KEKは1971年に大学共同利用研究所の第1号として誕生し、今年50周年を迎えました。これまで国内外の研究者に共同利用の場を提供し、加速器科学の最先端の研究や関連分野の研究を発展させ、宇宙の起源、物質や生命の根源を探求して、基礎科学研究を推進してきました。本シンポジウムでは、「加速器だから見える世界 ~KEK50周年~」というテーマで、これまでのKEKの50年を振り返ります。


加速器と研究分野の共進化

鎌田 進/加速器研究施設 名誉教授

現在KEKで稼働する加速器は「陽子加速器施設」、「光源加速器」、「電子・陽電子コライダー」と大きく3分類されます。KEK発足時の任務は、陽子シンクロトロン加速器の建設と素粒子・原子核研究でした。その後、完成した加速器を基礎に研究が進展し、新しい研究分野の誕生や参入もあり、さらに加速器の性能改善や新規の加速器建設が進みました。KEK加速器50年間の展開を「加速器と研究分野との共進化」という視点から振り返ります。


KEKにおける素粒子原子核研究の歴史

宇野 彰二/素粒子原子核研究所 副所長・教授

KEKでは、発足以来、一大学では所有できない大型の加速器を用いた素粒子原子核研究を行ってきました。その間に、数々の物理成果を上げながら、多くの技術を蓄え、人材を育てながら、今では、世界一の大強度陽子加速器を擁するJ-PARCや世界一のルミノシティを達成しているSuperKEKBなどで、素粒子原子核研究の最先端を担っています。これらの過程を講演します。


加速器だから見える物質・生命 ~量子ビームによる物質構造科学の50年~

雨宮 健太/物質構造科学研究所 副所長・教授

物質構造科学研究所では、加速器を使って得られる、放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子の4種類の量子ビームを用いて、原子レベルから高分子、生体分子レベルにいたる幅広いスケールにわたって、様々な物質の構造とその機能を研究しています。1970年代の構想に始まる、加速器を用いた量子ビーム施設の建設とそこで行われてきた物質・生命科学研究の50年間の歴史を振り返るとともに、最近の新たな展開を紹介します。


11:25-12:00

研究トーク2


宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
総合研究大学院大学


極限環境に生きる生命から考える地球外生命の可能性

鈴木 志野/宇宙科学研究所学際科学研究系 准教授

人体、土壌、海洋はもちろんのこと、海底下、地下圏、大気圏など、地球のありとあらゆる場所に、生命(微生物)が存在することが明らかとなってきました。そして、太古の地球や地球外の天体と類似性をもつ超極限的な環境にさえも、微生物が生きていることが分かってきました。生命は超極限的な環境で、どのように生きているのか?太古の生命はどのような生命から始まったのか?そして、いまだ見つかっていない地球外生命は存在しうるのか?ここでは、極限微生物から見えてきた生命の姿を紹介します。そして、これからの宇宙大航海時代がもたらすであろう生命探査が、生命の理解をどのように深化・拡張していくのか議論したいと思います。


総合研究大学院大学について

長谷川 眞理子/総合研究大学院大学 学長

総合研究大学院大学(総研大)は、大学共同利用機関等、全国のトップクラスの研究機関を基盤に研究者を育成する、大変ユニークな大学です。学部はなく、博士課程のみの大学院大学であり、学生は最先端研究の現場で教育を受け、一流の研究者を目指します。そのような本学の特徴とともに、総研大の将来構想について、ご紹介いたします。


血縁淘汰理論とヒトの生活史の進化

大槻 久/総合研究大学院大学 先導科学研究科生命共生体進化学専攻 准教授

進化とは、次世代に自らの遺伝子のコピーを多く残す性質が集団中に広まるプロセスです。血縁淘汰理論では、自ら子を産まなくとも血縁者が子を産めば自らの遺伝子のコピーが残る点に注目し、遺伝的近さである血縁度と呼ばれる量の大小で進化の方向を予測します。本講演ではきょうだい関係や母子関係、父子関係といった身近な血縁に注目して、血縁度がヒトの様々な性質にどのような進化的影響を与えているかを紐解きます。


13:00-14:00

研究トーク3


自然科学研究機構


自然科学研究機構紹介

坂本 貴和子/自然科学研究機構 特任准教授

宇宙、エネルギー、物質、人、そして生命。これらの研究テーマが総じて「自然科学研究分野」という壮大な研究分野を構成しています。講演では、日本の自然科学研究分野を牽引している自然科学研究機構に属する5つの研究所(国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)と、4つの機構直轄センター(新分野創成センター、生命創成探究センター、アストロバイオロジーセンター、国際連携研究センター)それぞれの特徴や魅力について、皆様に簡単に紹介させていただきます。


温度や痛みを感じるメカニズム

富永 真琴/生理学研究所・生命創成探究センター 教授

温度と痛み。私たちに馴染み深いこれらの感覚はどうやって生じるのでしょうか?これらは進化的にとても古い感覚で、実は、昆虫からヒトまで同じ分子群が担っています。みなさんが食べて「辛い」と感じるトウガラシの辛み成分カプサイシンの受容体を含むTRPチャネルです。ヒトでは11のTRPチャネルに温度感受性があることが知られています。私たちは、身体中の細胞が温度を感じながら生きていると考えています。これら温度感受性TRPチャネルの構造と生理機能を紹介します。


平衡感覚や姿勢の制御のしくみを探る

東島 眞一/基礎生物学研究所・生命創成探究センター 教授

重力の方向を知覚し、それに対して体や頭部を適切な体勢に保つことは、ほとんどの動物において、移動運動を適切に行うことや、周囲の情報の知覚を的確に行うためにきわめて重要です。しかし、それを司る神経内機構の詳細を調べることはこれまで困難な状況でした。私たちは、360°自由に傾き角度を与えながらニューロン活動をイメージングする顕微鏡を独自に開発しました。それを用いて、ゼブラフィッシュ幼魚が、平衡感覚を受容して姿勢を適切な方向に保つ神経内機構を明らかにしつつあります。本公演ではこの研究を紹介いたします。


14:25-15:25

研究トーク4


情報・システム研究機構


情報・システム研究機構の紹介

渡邊 和良/情報・システム研究機構 理事・事務局長

情報・システム研究機構は、21世紀の課題とされる生命、地球、自然環境、人間社会など複雑な現象に関する問題を情報とシステムという視点から捉え直すことによって、分野の枠を越えて融合的な研究を行い現代の諸問題の解決を目指しています。
極域科学、情報学、統計数理、遺伝学というそれぞれの分野の学理における最先端の研究拠点であるとともに、第4の科学ともいわれるデータサイエンスの発展に貢献する国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所、データサイエンス共同利用基盤施設の活動を紹介します。


南極氷床を融かす海

平野 大輔/国立極地研究所・南極観測センター 助教

近年、南極氷床の質量損失が加速しており、地球規模の海面水位上昇や気候システムへの影響が懸念されています。氷床の質量損失を加速させている主な要因は「周りの海」による氷床融解の促進であり、精度の高い海面水位変動の将来予測には、氷床質量損失に対する海洋の本質的な役割の理解が欠かせません。本講演では、日本による近年の大規模観測の結果から明らかになりつつある「南極氷床と海の関わり」について紹介します。


体外培養で精子形成を再現する

酒井 則良/国立遺伝学研究所 遺伝形質研究系 小型魚類遺伝研究室 准教授

精子はオスのゲノムを卵子に伝えるために特化した特殊な細胞です。その産生は精巣内の生殖幹細胞が担っており、細胞間架橋で繋がった状態での体細胞分裂による増幅、減数分裂、精子への変態と複雑なプロセスをたどります。これらがどのような制御を受けるのか、不明な点が多く、それらを体外で解析することを目的に、私たちは生殖幹細胞から精子の分化までを再現する細胞培養系をゼブラフィッシュで確立しました。本講演ではその概略と展望についてお話しします。


15:50-16:50

研究トーク5


人間文化研究機構


人間文化研究機構の紹介

永村 眞/人間文化研究機構 理事

人間文化研究機構、機構を構成する6機関の紹介を行います。


感染症対策に見る江戸時代の庶民の「知恵」

太田 尚宏/国文学研究資料館 研究部 准教授

旧家に眠る民間アーカイブズ(古文書などの歴史資料)を調査研究して、地域持続や地域おこしに役立てる活動を続けています。現在は、岐阜県中津川市にある旧尾張藩「御山守」の家で調査を行っていますが、そこで江戸中期の山村生活の様子がよくわかる日記が発見されました。その日記には、疱瘡などの流行病が発生したときの具体的な行動も記されています。新型コロナの感染が問題となっている昨今、流行病と向き合う江戸時代の庶民による「知恵」の数々を紹介し、感染症対策の根本にあるものを探ります。


躍動するインド世界の布へのいざない

上羽 陽子/国立民族学博物館 人類文明誌研究部 准教授

国立民族学博物館では、10月28日から企画展「躍動するインド世界の布」を開催します。これまでインドについては、一枚布を巧みに変形させて、多様にまとう着衣文化があることが注目されてきました。しかし、インドにおける布は、衣装としてだけではなく、人生儀礼における贈与や、神がみへの奉納、社会運動でのシンボルといった多様な役割を担っています。人びとは場面に応じて多種多様な布のなかから目的や機能に適したものを選び、使い分けています。そのような人びとと布の多様な関係性は、多宗教、カースト制度、数百を超える言語といったインド社会の特質と深く結びついています。インド社会をつくりだしている人びとの営みを多彩な布とともに紹介します。


16:50-16:55

閉会挨拶

西谷 大/大学共同利用機関協議会副会長・国立歴史民俗博物館 館長


研究トーク質疑応答


各トークでは、チャットで質疑応答ができます。また、参加申込時に質問を送ることもできます。
当日の接続方法は、参加申込いただいたメールアドレス宛てにお送りします。


参加方法


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