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素粒子原子核研究所

研究トーク1:10:25~11:25
Belle II 測定器 リモート見学会 in 大学共同利用機関シンポジウム2021:13:00~14:00
  

イベント紹介

Belle II 測定器 リモート見学会 in 大学共同利用機関シンポジウム2021
13:00~14:00

Belle II実験では、KEKにある周長3kmのSuperKEKB加速器で電子と陽電子(電子の反粒子)を衝突させ、大量のB中間子と反B中間子のペアを生成し、その性質を調べる事で新しい物理現象の解明を目指しています。
本イベントでは電子と陽電子の反応を捉えるBelle II 測定器が設置されている実験ホール内の映像を流しながら、Belle II実験に参加する研究者がBelle II実験や実験ホール内を解説します。

参加はこちらから
https://us06web.zoom.us/j/83324504218?pwd=WXRkQWVjOC9yWTBwK2pMdGNyWFEwQT09


素粒子原子核研究所の概要

全ての物は細かく見ていくと、分子、原子、原子核、そして素粒子に辿り着きます。素粒子は、これ以上分けることのできない物質の最小単位です。素粒子や原子核のように極微な物の性質を理解することは、広大な宇宙誕生の謎を解明する重要な手がかりとなり得るのです。素粒子原子核研究所では、素粒子物理学、原子核物理学、宇宙物理学という極微な世界から広大な宇宙までの幅広い分野に対して、理論及び実験の両側面からの総合的研究を行っています。
詳しくは素粒子原子核研究所や研究グループのウェブサイトをご覧下さい。

素粒子原子核研究所では、大きく分けて下記の5種の研究と、それらの研究に不可欠な技術開発に取り組んでいます。


世界最高エネルギーでの実験

粒子を加速器で世界最高エネルギー、すなわち光速近くまで加速して衝突させ、その時に生じる反応を詳しく観測・分析し、素粒子の振る舞いを記述する標準理論では説明のつかない新しい物理現象を探索しています。
スイス・ジュネーブ近郊にある欧州原子核機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で陽子と陽子を衝突させ、素粒子に質量を与えるヒッグス粒子の物理や新粒子の探索を行うATLAS(アトラス)実験や、全長約20kmの線型加速器で電子と陽電子(電子の反物質)を正面衝突させ、ヒッグス粒子と他の素粒子の間に働く力の強さの精密測定を目指す国際リニアコライダー実験(ILC実験)などがあります。


素粒子の性質の精密測定

素粒子の性質を精密に測定することで、素粒子の崩壊反応の中でも未発見の稀な反応などを捉え、そこから標準模型を超える新しい物理現象を探索しています。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)つくばキャンパスにある「SuperKEKB(スーパーケックビー)加速器」を用いて電子と陽電子を衝突させ、宇宙の物質生成の謎や暗黒物質の存在などの解明を目指すBelle II(ベルツー)実験や、茨城県東海村にあるJ-PARC(大強度陽子加速器施設)でニュートリノという素粒子のCP対称性の破れ(物質・反物質の性質の違い)の探索などを行うT2K実験などがあります。また、ミューオン、K中間子、中性子などの粒子の稀崩壊探索や精密測定実験を行っています。


ハドロン/原子核物理

J-PARCのハドロン実験施設内にある精密分光装置群を用いて、素粒子と考えられるクォークが複数個結合してできたハドロンやストレンジクォークを含む原子核を研究しています。これらの研究は、宇宙で最も密度の高い天体であり巨大な原子核といわれる中性子星を理解する上で大きな役割を果たすことが期待されます。また、埼玉県和光市の理化学研究所内にKEKが設置した和光原子核科学センターで、金や白金、ウランといった重元素が宇宙における爆発的元素合成で生成される過程の研究をしています(短寿命核実験)。


実験的宇宙物理学

誕生から約38万年後の宇宙で発せられた宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼ばれる電波の偏光パターンの内、Bモードと呼ばれる渦模様を観測して、インフレーションが起きた証拠を捉えることを目指しています。KEK CMBグループでは、地上観測実験POLARBEAR(ポーラーベア)とLiteBIRD(ライトバード)衛星計画により、CMBのBモード偏光観測達成を目指しています。


理論物理

KEK理論センターでは、素粒子、原子核、宇宙物理学に渡る様々な分野の研究者が、同じ場所で分野の垣根を超えて日々一緒に研究に取り組んでいます。多くの実験プロジェクトがKEKで進行中であることを活かし、理論センターは実験グループとも綿密に連携を取っています。


最先端の実験に不可欠な技術開発グループ

素粒子原子核研究所で行われている様々な実験に必要な装置の設計・加工・組立を行なっています。実験装置のセンサーからシステムに至るまで、既存の技術を超えた新たな技術を生み出し開発を行なっています。また、粒子検出器で利用される極低温機器の開発支援や運転も担っています。


【動画】


【関連するページへのリンクの情報一覧】

素粒子原子核研究所webサイト
https://www2.kek.jp/ipns/ja/
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